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ただ手のひらに収まるような
ばらばらとした小さな世界

大事な気持ちも苦しみも、
幾多の笑う月の下で
塵のように意味なく舞った

空の頭を砂糖に漬けて
光が微かに歌を歌う

どうせ全ては誰かの娯楽


この世はきっと、

見えない誰かの暇潰し

——たしかあれは
時間を持て余した
林檎の神様とお月様が
昼と夜を入れ替えて
遊んでいた頃、

空から降ってきた

金平糖が
こつんこつんと
音を立てて、

お月様の
大事にしていた
大きな鏡に亀裂を
入れたかと思えば、

林檎の神様が
小さくくしゃみを
したのを合図に

粉々に割れて

しまいました

割れた鏡の破片のうちの

十四枚を繋ぎ合わせる

大慌てな林檎の神様を

お月様はやれやれと笑いながら見て

いましたが、

その破片の一つから、

光を宿す木が生えているのに気が付きました

カレイドツリー

——この世に

存在しないものの象徴

その木はたちまち

十四個の小さな月を呼び寄せ、

ひとつは

カレイドツリーの上に、

残りは木を取り囲む

十三個の破片に

ひとつずつ分け与え、

瞬く間に

十三と一のエリアを

持つ魔法使いの国、

ミラードナディアを創り出しました

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二人はぱちぱちと
瞬きをして顔を
見合わせた後、

鏡の破片でできた

その国をしばらく見守る

ことにしました

だって、

昼と夜を入れ替えるよりは
楽しい暇潰しになりそうでしたから——
-THE END-

林檎の神様

この世の全ての林檎を
丸い形にしている神様。


本当はもっと

大事な仕事があったはずだが、

面倒なので忘れてしまった。

くしゃみをした振動でお月様の
大事にしていた鏡を割ってしまい、
鏡の破片を繋ぎ合わせていたら
魔法使いの国が出来上がった。

毎日暇を持て余している。

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お月様

月の満ち欠けを管理している。

大事にしていた大鏡を
林檎の神様に割られてしまったが、
いつか割れることが分かっていたようで
あまりショックを受けていない。
むしろ割ってしまって右往左往している
林檎の神様が面白い。

林檎の神様のことが大好きで、
りんごちゃんと呼んでいる。

©2023  Spin Mayumura

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